• Interview

2021.08.27 Fri

チャレンジャー紹介:at FOREST 小池 友紀さん

 

フリーのコピーライター14年間というキャリアの中で様々な企業のリブランディングに携わってきたという小池氏。

 

クリエイティブ案件に数多く携わってきた同氏が新たなチャレンジとして選択したフィールドが「墓地」。昔からの風習が色濃く残り一見クリエイティビティとはかけ離れたものと捉えてしまいそうなこの分野に、なぜ小池氏はチャレンジの場を移そうとしているのか。

 

今回はコピーライターとして活躍する小池氏にプロジェクト発足の経緯や事業の大義についてインタビューをいたしました。(インタビュアー:深澤)

 

 

写真左:小池 友紀

コピーライター/クリエイティブディレクター

アパレル業界を経て広告クリエイティブの世界に。百貨店専属のコピーライターとして広告制作に携わった後、2007年独立。ホテルや商業施設、ウエディングなど様々な業界の広告、PR、コンセプト開発を手がける。幼稚園や高齢者施設のリブランディングに携わった経験をきっかけに、ソーシャルビジネスに興味を持ち、より良い社会につながるサービスを模索。現在、起業に向けて奮闘中。

 

写真中:正木雄太

英国・サセックス大学で社会学を専攻し、卒業。帰国後、対人支援の世界へ。2014年に「働く土台を作る就労支援」を行う一般社団法人セレンディップを設立。現在は理事として運営に携りながらソーシャルワーカーとして様々な福祉の現場で活動。

 

写真右:三浦智恵子

近畿大学卒業後、株式会社マイナビにて広告制作、サイト運営業務に携わる。現在は移住を機に、高齢者福祉に関わる自治体職員として活躍。

死んだとき、本当にお墓に入りたいか?

 

深澤:

本日はよろしくお願いします!早速ではございますが、小池さんは今までどのようなことをしてこられたのでしょう?

 

小池:

宜しくお願いいたします!

元々広告制作の会社にいて、百貨店専属のコピーライターとして配属されました。ファッションや富裕層向けブランドを主に担当し、3年務めた後にすぐにフリーになりまして、、、笑

 

深澤:

すごいですね笑

 

小池:

フリーのコピーライターとしてやっていくうちに企業のブランディングにも携わるようになって、ここ4・5年くらいは企業のリブランディング、新しいブランドのコンセプト開発にも携わらせていただいて、今年でフリーランス14年目になります。

 

深澤:

すごいキャリアですね。

 

小池:

いえいえ…そんな中でコロナ禍となり。少し時間ができたので、クリエイター仲間と「売るための仕事」ではなく「より良い社会につながるライフワーク」がしたいよね、と遊び半分でアイディアを出し合っていたのです。

 

深澤:

ふむふむ。

 

小池:

数年前から思っていたことなのですが、広告クリエイティブの仕事は最終的には企業オーナー様の判断が肝です。私は今までは企業や経営者さんの想いをサポートする役目でしたが、話を進めていくうちに「このアイディア、自分たちがオーナーになって進めるべきじゃない?」と思い始めたんですね。そこから紆余曲折を経て、ここ最近起業準備を進めている。という状況ですね。

 

深澤:

ありがとうございます!では今回のアイディアを少しお聞かせいただきたいと思います。

 

小池:

はい。私の父が何度か体調を崩し「お墓どうする」と家族会議をした際、うちの家は3姉妹で墓守がいないという事もあり、「墓じまい」というキーワードが出てきたんです。その会話から、友達ともお墓の話をするようになり、「別にお墓なんて入りたくないよね」っていう笑 ただ、そのことを話していると自分の老後の事や身の納め方について考え始め、不安にもなってきたんですよね。そんな中でお墓にまつわることを調べるようになったのです。

 

深澤:

なるほど。

 

小池:

調べていくうちに、墓石には平均百万以上かかります。継承されるかどうかもわからないという中で本当にそこにお金を払うの?と疑問を持ちましたし、永代供養の合葬墓という方法もあるんですけど、巨大な石やモニュメントに魅力を感じなく。他にも樹木葬なども出てきているのですが、やはりどれも画一的で今までの枠を出ていない感じを受けました。

 

小池:

そんな中、サンフランシスコで「暮石の代わりに木を選ぶ」っていうビジネスをしている企業があり、その企業がかなり資金調達をしているという情報を知りまして。その企業は、「Better Ending」とうたっている会社で、私もこんなエンディングを迎えたい!と思ったのが今回のアイディアのきっかけです。このビジネスを日本の今の森林環境や文化に合わせてアレンジし、提供したいと思っています。

 

深澤:

素敵なビジネスですね。

 

小池:

今の若い人たちはお墓を守るという意識は昔よりかは薄いと思いますし、私自身、お墓という存在に思い入れがあまりなかった。もっと気持ちよく、最期は意味のあるお金の使い方をするべきじゃないかなと思い今回のアイディアに行きつきました。

意味のある、お金の使い方

深澤:

ありがとうございます。本当に素敵なコンセプトで実現していただきたいです。

具体的にサービスの中身はどのようにお考えなのでしょう?

 

小池:

まず、私たちのサービス名は「RETURN TO NATURE」という名前で考えていて、墓地ではなく、豊かな森を一緒に創ろうよ。という事を伝えていきたいなと思っています。

 

 

サービス利用者はまず生前に植樹します。

 

 

そのあとは私たちと共に豊かな森づくりを行いながら木を植えた森で過ごす様々な機会をご提供します。

 

 

死後は自ら植樹した森に散骨し自然に還る。

 

 

この事業は単なるお墓ではなく、毎月ちょっとしたお金で森林保全活動に参加しながら自分がドネーションした山や森に自ら関わり、自然との関係性を深めていくことができる。さらに、次世代へ豊かな自然をつなげていくことができるんじゃないかなと思っています。

 

深澤:

本当に意味のあるお金の使い方だと思います。

このサービスの利用する生活者の皆様がどのような形で自分の森とかかわり関係性を深めていくのか。そこの体験をどう作るかが重要な気がします。

 

小池:

まさにそうで、まだ構想段階ではあるのですが、

 

 

森を開拓して遊び場を創るようなアクティビティを提供するのではなく、豊かな自然をそのまま体験・知ることができるようなプログラムを設計していきたいなと思っています。私たちが成し遂げたいのは森をエンターテイメント施設にするのではなく、次世代へ豊かな自然を残していくという事なので。

 

深澤:

本当にそうですよね。自然そのままを知り、体験できるようなサービスであれば私も子どもがいるので自分の子どもを連れてプログラムに参加したくなります笑

 

小池:

ゆくゆくは地域の保育園幼稚園に、遠足など自然体験の場としてどんどん提供していきたいなと思っています。

この事業には大きな壁がたくさん。だからこそチャレンジしたい。

 

深澤:

このプロジェクトでどのようなチームメンバーや協力者を募集する予定ですか?

 

小池:

私のチームは今3名いまして、私が代表兼ブランディングディレクター、もう一人がクリエイティブ人材、最後に様々な社会問題と向き合ってきたソーシャルワーカーというメンバーなんですね。

今のメンバーにはデジタルリテラシーが高いメンバーがいないので、まずはデジタル活用を企画・推進してくれるエンジニア、そして戦略マーケター、Webデザイナーの方々にチームメンバーに入っていただきたいと思っています。

 

深澤:

その人材は必須ですね。

 

小池:

あとは、この事業はかなりいろんな壁があります笑

 

第一歩としては自然豊かで山や森が多い「兵庫県」をサービスのロールモデルの地と考えているのですが、山を取得するためには行政の方々のご協力を仰ぎたい部分もありますし自然を保全するためには大学との連携、林業の皆様との連携など、様々な方との連携が必要となりますので一つ一つ壁を越えていきたいと思います。

 

深澤:

おっしゃる通りだと思います。山の管理はなかなかお金がかかり、管理が行き届いていないという事も良く聞きます。山の管理が行き届かなくなってしまうと土砂災害のリスクが高まる。という事も言われていますよね。

 

小池:

そうなのです。私たちのサービス名は「RETURN TO NATURE」としているのですが、会社名は「at FOREST」としています。その意図は、あくまで「森に還るお墓」というのは自然を保全するための1つのドメインであって私たちが成し遂げたいのは豊かな山や森の自然を守り、次世代につなぐこと。まずは「RETURN TO NATURE」というサービスからではありますが、自然を守る事業ドメインはこれからも考えていきたいなと思っています。

 

ですので、まずは兵庫県で対象となる山を1つ、私たちに任せていただき、一つ一つ解決していきたいなと思っています。

 

深澤:

素敵です。次世代へ資源をつなぐというのは社会意義としても本当に重要だと感じます。期待しています!