「世界に誇るメディカルプラットフォーム」を創造し、日本から新規医療機器、画期的な新薬を生み出すことを目標に掲げ3つのサービスの展開を予定しているフューチャーコンビニエント株式会社。1つ目のプロダクトとして「Life Science Expert」というサービスの展開を予定しており、医療業界における「スポットコンサル依頼ツール」を目下ローンチ予定だという。
今回は同社の代表取締役の岡氏と福永氏にプロジェクト発足の経緯や事業の大義についてインタビューをいたしました。(インタビュアー:深澤)
写真左:岡 友樹
フューチャーコンビニエント株式会社 CEO
東芝情報システムにて、SIerとして14年程在職。主に基幹系システム開発を実施。
同時に学生時代から、株式投資 → エンジェル投資活動を行う。プレシード・シード期のスタートアップとの関わりを実施。コロナ前までは、ビジネスのイベントなどに出席し、そこでアイデア・チャレンジなどを行っていた。その後、コロナ禍の影響でチャレンジを行いにくくなっていることを感じ、2021年2月18日、アイデアカベウチのサービスを運営するフューチャーコンビニエント株式会社を設立。チャレンジをもっと楽しくなる世界を目指して活動中。
写真右:福永 将
内資系製薬メーカーにてMRを経験後、医療業界(ライフサイエンス)に特化したヘッドハンティング会社での業務を経て、UK本社のライフサイエンスに特化したコンサルティングファームにて様々なプロジェクトに携わる。その後、ALL NIPPON RENOVATIONに理事として参画し、医療系政策立案、政府渉外を担当。
医療業界全体の仕組み並びにPublic Relationsに知見を有し、DX戦略会議のメディカルワークショップの運営、政策提案等に携わる。同時に(株)フューチャーコンビニエントに参画し、ヘルステックプロダクトの製品開発、ローンチも手掛ける。
日本の創薬プロジェクトの課題は「コミュニケーション」
深澤:
本日はよろしくお願いします!早速ではございますが、まずは、今回のプロジェクトの概要をお聞かせください。
福永:
宜しくお願いいたします!
私たちたちはフューチャーコンビニエントという会社でしてメディカべという名前で事業をしています。メディカべという名前は「メディカル×壁打ち」の略称でメディカべという名前にしていて、名前の通り考えたことを壁打ちできるようなサービスという事です。私たちは日本の医療業界というのはいろいろな課題があると思っていて、その中でも一番の課題と思っているのが、「コミュニケーション」だと思っているのです。なぜ日本から画期的な薬が生まれないのか、コロナのワクチンができないのか。結局相互理解が出来ていないから、活用できる人を活用できていないからだと考えているんですね。
深澤:
なるほど。
福永:
相互理解をして活用できる人を活用していくにはやっぱり「コミュニケーション」という課題を解決する必要があるよね。という考えからメディアカベを創るに至ったのです。
「世界に誇るメディカルイノベーションプラットフォーム」をオンライン上に作って、ここから世界に誇る画期的な新薬や医療機器を生み出していきましょうよ。というのが我々が思い描いているところです。そのためにコミュニケーションを円滑にするようなサービスを開発しています。
具体的には3つくらいサービスのローンチを予定していまして、まずは、「ドクターカベウチ」というのはドクターとメディカル系企業の方のコミュニケーションを円滑にするツール。バーチャル空間を作って、そこで医療系従事者と製薬系企業の方々がコミュニケーションを活発に取れる空間を創ろうとしています。
2つ目は「Life Science expert」これは創薬・新規医療機器を開発するために必要な人的リソース提供していくもので、これが今一番事業化に近いサービスです。
どういう内容かというと、スポットコンサルを依頼できるサービスとなります。医療業界の薬事や臨床開発などのすごいテクニカルな職種というのはどの会社も人手不足なんですね。
その人材を我々のサービスを介して「この申請書をかいてほしい」などの具体的なDOをお願いできるようなスポットコンサルプラットフォームとなります。
今まではそのような仕事はCROやコンサル会社が担うケースが多かったのですが、どうしてもお金がかかってしまう。もちろんお金の面もありますが、重要なのはどんなエキスパート人材が今回の創薬PJTに関わってくれるのかという事がプロジェクトが始まるまではブラックボックスなまま進んでしまい、プロジェクトを進めていくにあたってこの人材はアンマッチだった…といった現象が今まで創薬現場で起きていたのです。
その課題をこの「Life Science expert」では企業の担当者が直接エキスパート人材の顔を見てWEBミーティングを実施したのちに具体的な仕事を依頼することができるのでコストと人材のアンマッチという課題を解決できるものと考えています。
医療業界のスキルあるシニアの「第2のキャリア形成」を支える
深澤:
それはかなり画期的ですね。
福永:
ありがとうございます!このサービスには2つの社会的意義があると思っていて、1つ目は、バイオベンチャーや製薬、医療機器メーカーが新製品の創造の際の大きな課題である「人的リソース」を解決しイノベーションが起きやすい環境になるという事と、2つ目はヘルスケア産業で活躍した「シニア」の方の第二のキャリアの支援ができるという事。60歳で定年退職して、まだまだ働けるけれども会社からは給料の3分の1で再雇用される…そういった環境になる中でその方々が個人で仕事を取っていけるようになればこれから少子高齢化がどんどん進んでいく世の中において、シニアの人的リソースを有効活用できる。これは医療業界はもちろんのこと、日本の社会にとってもいい流れを創れるのではないかなと考えているんです。
深澤:
すごい面白いですね。
このサービスがグロースしていけば人材の有効活用もそうですが、企業と個人が直接かかわり中間工数を削減できると思うので、創薬までにかかっていた時間を削減でき、もっと多くの画期的な新薬が生み出されそうですよね。こういった個人のコンサルに仕事を依頼するというのは医療系企業の文化的に問題ないものなのでしょうか?
福永:
ありがとうございます!実際今大手製薬メーカーやバイオベンチャーの方々に調査をさせていただいていまして、どの会社も個人のコンサル人材に仕事を依頼した経験がないところはほぼなかったので、問題ないかなという印象はあります。
深澤:
なるほど。こういったサービスはグローバルではすでにあったりするのでしょうか?
福永:
グローバルに関しても基本はコンサルティングファームが担うケースがほとんどなので、グローバルでもこのサービスはニーズがあると思っています。
深澤:
ぜひ、グローバル展開も期待しています!
今回の「NOROSI」は渋谷と神戸でエリアを越境しながらチームを組成しプロジェクトを推進していく。という特徴があるのですが、どのような方や企業にジョインしてほしいですか?
福永:
はい。医療の力で世の中をよくしていきたいという考えをお持ちの方で医療系企業のテクニカルなスキルをお持ちの方がいらっしゃればどんどんチームとしてジョイン頂きたいと思っています。
岡:
人材もそうですが、神戸市や渋谷区の行政との連携、大学や医療関係企業ともこのプロジェクトでつながりこのサービスをより良いものにできたらいいなと思っています。
深澤:
ありがとうございます!神戸市は医療系ベンチャーが多い地域でもあるので貴社とのマッチングをアレンジできれば面白いことになりそうですね!あとは製薬メーカー企業様にこのプロジェクトに入っていただき並走頂くなども面白そうです。
岡:
それは本当に面白いですね。製薬メーカー様は本当にウェルカムなので、ぜひ一緒にこのプロジェクトを推進して頂きたいなと思っています。
深澤:
いいチームを組成できるように私も頑張りますね!
あとは私の周りにも、もともと製薬メーカーの開発部門にいた方が一度会社を辞めて医師免許を取得して第2のキャリアを築こうとしている方がいらっしゃいます。医療業界で長年培われてきたスキル・ノウハウをこのサービスで生かすことができるというのはこれからの社会に本当にマッチしていますね。
岡:
そこは本当にそうで福永のこだわりのポイントでもありますね。笑
福永:
そうなんです。笑 私の父も医療業界の薬事をしている人で、その薬事のスキルがあればもっと活躍できるはずって思ったんですよね。父も含めそういったスキルのあるシニアの方の「若い人材への教育」であったり「自身の第2のキャリア」を築ける場所を作ってあげたいな。と思って構想したのがきっかけだったりします。
深澤:
素敵です。これから「NOROSI Startup HUB」が本格的にスタートいたしますのでぜひ頑張ってください!応援しております!
岡&福永:
宜しくお願いいたします!